夏になると、楽しみにしている食材があります。
長良川最上流 天然鮎です。
私がお願いしているのは、釣り師の太田さん。
川で育った天然鮎は、一尾ごとに大きさも表情も違いますから、太田さんとは求めている鮎についてを何度も話し合ってきました。
その信頼関係があるからこそ、求めている鮎が釣れた時に届けてもらうこととしています。
初めの頃は、この鮎をどう料理するのが一番美味しいのか、いろいろと試しました。
焼くのか、蒸すのか、薪火で仕上げるのか。
天然鮎ならではの香りや、川で育った力強い味わいを、どうすれば一番楽しんでいただけるのか。
試行錯誤を重ねて、たどり着いたのが衣で鮎を包み込むこと。
香りを中に閉じ込め、外側は香ばしく、かりっと。
中はふっくらと、鮎そのものの味わいをしっかりと感じていただけるように仕上げます。
一口頬張ったときに広がる、鮎の香り。
川で育った魚だからこその、ほのかな旨み。
できるだけ余計なことをせず、鮎そのものを存分に味わっていただきたいと思っています。
そうして試行錯誤を重ねるうちに、この一皿はいつしか夏コースを代表するスペシャリテになりました。
森から届くきのこや野菜、山で育った猪、鹿。そして、川を泳いで育った天然鮎。
山に囲まれたひるがの高原には山の恵み、そこを流れる川の恵みからも季節を感じています。
今年も太田さんが、どんな鮎を届けてくれるのか。
そんな楽しみとともに、夏コースをご用意しています。