私が薪火料理に使っている薪は、レストランの周りに広がる森の広葉樹です。
森を健やかに保つために間伐したミズナラやクリの樹木を、
約二年間かけてゆっくり乾燥させることで、初めて薪として扱うことができます。
この土地で育った樹木が食材に火を加え、オステリアアオの料理がお客様の元へ運ばれる。
私には、それがいちばん自然なことのように思えました。
この土地の恵みである野菜や山菜、きのこやジビエをこの森で味わっていただく。
それなら、その食材を焼き上げる火も、この土地の森からいただくのがいい。
そんな思いから、薪火を使い続けています。
薪は一本一本、樹種や乾燥具合によって火の表情が違います。
煙の香りや炎が食材を纏い、落ち着いた穏やかな熾火になる。
火にも季節があり、少しずつ変わる時間を待つのも、料理の大切な仕込みのひとつです。
だから毎日同じように料理をしていても、毎日少しずつ違う。
その変化と向き合う時間も、この仕事の楽しさの一つです。
料理の原点は森にある。
そう思うようになったのは、食材だけでなく、火もまた森が育ててくれていると感じるようになったからかもしれません。
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