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生産者巡りの旅Vol.2 天然きのこ

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岐阜県郡上市高鷲(たかす)は、山川に囲まれた自然豊かな土地。変化に富んだ気候条件のもとで生まれる魅力的な食材とその生産者さんを、オステリア アオのシェフ・青木真一がご紹介します。

自らを「木工作家・天然食材ハンター」と称するTABI FACTORYの水上淳平さん。高鷲町内のアトリエで、「グリーンウッド」と呼ばれる生木を使った食器やカトラリーなどを製作する傍ら、1年を通して近隣の森に入り、山菜、キノコ、ジビエといった山の恵みを食のプロへ届けています。中でも、力を入れているのがキノコ。「日本国内に自生するキノコの種類は5000以上ありますが、その中で、人間がおいしく食べられるのはたった50種類ほど。しかも個体差があって、判別はとても難しい。そんな奥深いキノコの世界に魅了されてしまって」と話す水上さん。ついには勤めていた会社を辞め、岐阜県立森林文化アカデミー(※森林や木材に関わる生き方を目指す人のための専門学校)に入学し、キノコと木工を2年間、専門的に勉強したといいます。

食べごろのおいしいキノコを求めて、木立の奥へと分け入る水上さんには迷いがありません。それもそのはず、水上さんは良いキノコの採取ポイントを、自らの足で10年以上かけて地道に開拓してきました。「僕だから出会えるキノコ、採れるキノコがある」と胸を張ります。「キノコはミズナラやアカマツ、コナラなど、菌根を作る樹種に共生します。日当たり、水はけ、風通しの3つが揃うことが、良いキノコが生える条件。ただし、生えてから1週間も経てば、溶けて土に還ってしまう。タイミングが合って、初めて採取することができるんです」。この日、採れたポルチーニも肉厚で見事な大きさ!独特の芳醇な香りを放ちます。

オステリア アオの料理は、地元の生産者さんの存在なくして生まれません。高鷲の自然の恵みを使わせていただけることに感謝し、それぞれの持ち味を最大限に生かす料理を提供していきたい。吹く風に秋の気配を感じながら、その思いを改めて強くしました。

TABI FACTORY
〒501-5303 岐阜県郡上市高鷲町大鷲2223-2
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